@article{oai:scu.repo.nii.ac.jp:00000052, author = {永井, 雄基 and 矢部, 和夫 and 矢崎, 友嗣}, issue = {1}, journal = {札幌市立大学研究論文集, SCU journal of Design & Nursing}, month = {Mar}, note = {苫小牧市東部に位置するウトナイ湖周辺において,群落景観が異なる氾濫原フェンと谷フェンで,水位,EC とpH の連続自動観測,および植生調査,標高調査,アルカリ度測定と各種イオン分析を行った.氾濫原フェンはツルスゲ,イワノガリヤス,オオアゼスゲとミズオトギリの被度が高く,谷フェンはヤチスゲとハンノキの被度が高く,氾濫原フェンでは見られなかったエゾノヒツジグサとミツガシワが出現した.  得られた水位,EC とpH の全連続データについて,51日(データを3分割),1ヶ月,17日(データを9分割)と1週間の期間で任意にデータを区切り,水位,EC とpH について区切りデータごとに最大値,最小値,変動幅,平均値と標準偏差を抽出した.また,5mm 以上の降雨イベントでも同様にデータを区切り,前述の統計量を抽出した.次に,それらの全期間の平均値について,谷フェンと氾濫原フェンの間の差をt検定で求めた.  雨区切りデータを使用した場合に,最も多くの項目で二つのフェンの間に有意差が検出されたため,雨区切りが,連続データの区切り方としては最も適切であると判断された.  フェンの変異に対して重要な季節は,t検定による有意差から,乾燥期の盛夏(7月12~7月27日)と集中豪雨の起こった晩夏(8月12~8月24日)であると判断された.特に氾濫原フェンにおいて盛夏は,水位が低下し,EC やpH の上昇が見られた.フェンのpH はCa2+とMg2+の濃度で決まるアルカリ度の違いによって規定されていたので,盛夏では蒸発による水位低下と無機塩の濃縮(EC の上昇)によるpHの上昇が起こったものと思われる.晩夏は洪水イベントによる水位上昇が起こり,pH やEC が複雑に変動した.これはアルカリ度の低い雨水による希釈,アルカリ度の高い湖水の流入,およびその後の蒸発濃縮によってEC とpH が変動したためと思われる.  健全な氾濫原フェンは,激しく変化する水文化学環境によって維持されていることが明らかとなった.氾濫原フェンの水位,EC とpH の大きな変動は降雨による雨水希釈,湖水の流入や,その後の蒸発濃縮の影響を強く受けたためと考えられる.健全な谷フェンは,安定した水位,EC とpH よって維持されていることが明らかとなった.谷フェンの群落が傾斜地に分布しているため,湿原の表層水は流下する地表水によって常に置換されている.このことで,水位が安定し,EC とpH は雨希釈と蒸発濃縮の影響を受けずに安定していると考えられる.}, pages = {71--79}, title = {水位及び,表層水の酸性度と電気伝導度の季節変動を考慮したフェンの分布に対する影響の評価}, volume = {6}, year = {2012}, yomi = {ナガイ, ユウキ and ヤベ, カズオ and ヤザキ, トモツグ} }